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      破産手続について、Q&A形式でご案内いたします。




Q1 自己破産をすると、株式会社の取締役になれないと聞いたのですが本当ですか。また、自己破産をすると仕事をする上で何か支障はありますか

 会社法331条では、取締役になれない事由(欠格事由)が列挙されていますが、その中に「破産」は含まれていません
 従って、破産開始決定を受けたことがあったとしても会社の取締役になることができます。 

 ただし、取締役の在任中破産開始決定を受けた場合は、会社と取締役(破産者)の委任契約が終了したことになるため、取締役を退任することになります。 この場合は、再度株主総会で選任してもらう必要があります。

 なお、破産者(個人)に関する主な資格制限の例は以下のとおりです。ただし、免責許可決定が確定すれば、直ちに復権の効果が生じ資格制限がなくなります

1.士業関係
  弁護士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、
  社会保険労務士

2.従業員の立場であっても資格制限を受ける者
  警備員、証券会社の外務員、生命保険募集人

3.他人の財産管理・処分を義務・権限を持つ者
  後見人、後見監督人、保佐人、補助人、任意後見人、遺言執行者

 




Q2 自己破産の開始決定がなされると破産管財人が選任され、最低でも20万円程度の予納金を納める必要があると聞いたのですが、それは本当ですか。

 破産者の財産が少なく、破産費用(管財人の報酬等)もないような場合、裁判所は破産管財人を選任せず、破産手続開始の決定と同時破産手続廃止の決定をします。

 具体的には、現金等の資産の合計が20万円を超えずかつ免責不許可事由もないようなケースでは、同時廃止になることが多いようです。

 ただし、同時廃止になるか管財事件になるかの判断はあくまで裁判所が行いますので、その点ご注意いただきたいと思います。

 



 
Q3 破産開始決定がなされても、多重債務に陥った原因の一部が、浪費やギャンブルによるものである場合は免責許可決定が出ないと聞いたのですが、それは本当ですか。

 自己破産の申し立てをする際に、同時に免責許可の申し立てもします。それは、破産手続きをする大きな目的が、免責許可決定を受けることだからです。

 ところが、破産申し立てに至った原因の一部が浪費やギャンブルの場合、破産法上の免責不許可事由に該当することになります。

 しかし、免責不許可事由があったとしても、裁判所は破産申し立てに至る経緯など一切の事情を考慮して、免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可決定をすることもできます(裁量免責)。

 そして、浪費やギャンブルが債務を増大させた原因の一つであったとしても、裁判官に破産に至る経緯を正直に述べ、裁判手続に協力することにより、裁量による免責許可決定が出ることもあります。

 したがって、多重債務の原因が浪費やギャンブルであったとしても、破産手続きを選択する余地はあると考えられます。

<参考> 

免責不許可事由(主なものを挙げます)

① 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し又は信用取引により商品を購入し、これを著しく不利益な条件で処分したこと。

例 クレジットカードで10万円相当の物品を購入し、これを使用することなく1万円で他人に売却した。


② 特定の債権者に対する債務について、当該債権者に対して特別な利益を与える目的をもって、債務者の義務に属さない方法又は時期債務を弁済したり担保を供与すること。

例 友人に対する借金について、分割で支払う約定であったにもかかわらず、友人への義理から、他の債権者らへの支払い分を当該友人への一括返済資金に充ててしまい、結局他の債権者らへの支払いが延滞した。


③ 破産手続開始の申し立てがあった日の1年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。

 なお、「詐術」とは資産や収入があることを仮装するなど、積極的な欺罔手段等を取った場合を指すという裁判所の見解もあります。

 しかし、支払不能であることを知りながら、借金返済のために借金を繰り返すという行為が繰り返された場合、この行為自体が(黙示の)詐術と解される余地もあると思われます。

 このようなケースでは、一刻も早く経済的再生を果たすために、債務整理の専門家に相談することをお勧めします。





 
Q4 破産開始及び同時廃止決定の数か月後に免責許可決定が出たのですが、免責の効果はどのようなものですか。

 免責許可決定確定すると、破産債権者に対する債務については原則として、その責任を免れることになります。

 しかし、破産者が保証人を立てていた場合の保証債務や抵当権等の担保物権には影響を及ぼさないことになります。

 また、Q1でも触れましたが、免責許可決定が確定すると破産者は復権し、各種の資格制限が取り除かれることになります。

 ところで、免責許可決定が確定しても、以下の債務は免責されません(非免責債権)ので免責後も支払いを続ける必要があります。

<非免責債権>

1.租税等の請求権

2.破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

3.破産者が故意又は重過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権

4.婚姻費用の分担義務、子の監護義務親族間の扶養義務等に基づく請求権

5.雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預かり金の返還請求権

6.破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(破産手続開始の決定を知っていた債権者の請求権を除く)

7.罰金等の請求権





 Q5 破産開始決定時、100万円を超える現金・預貯金があったため破産管財人が選任されたのですが、家財道具も含めてすべて換価し、破産財団(破産者の財産又は相続財産であって、破産管財人に管理及び処分する権限が専属するもの)として債権者への配当の対象となってしまうのですか

 破産管財人の主な職務は、破産財団の管理・処分・換価等を行い、最終的には破産財団から債権者に配当を行うことです。

 しかし、破産法は破産者の経済的再生の確保を図ることをその目的としており99万円までの現金差押禁止財産(生活のための衣類、寝具、家具等)は、破産財団に組み入れられず、自由財産として破産者が自由に管理、処分することができることになっています。

 その他の財産についても、破産手続開始決定から1か月以内に、破産者の申立て又は裁判所の職権に基づき自由財産拡張の決定がなされることにより、自由財産となる場合があります。

 裁判所によっては、財産の種類や金額に応じ「換価する必要がない財産」を類型化し、それに当たる場合は、自由財産拡張の裁判があったものとして取り扱っています。
なお、東京地裁では「換価する必要がない財産」として以下の基準を設けています。
① 残高が20万円以下の預貯金(複数ある場合は合計額)
② 見込額が20万円以下の生命保険解約返戻金(数口ある場合は合計額)
③ 処分見込額が20万円以下の自動車
④ 居住用家屋の敷金債権
⑤ 支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権  
⑥ 支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金債権の8分の7
 



 
Q6 自己破産の申立てをする場合どのような費用がかかりますか。
  
 裁判所に納める費用司法書士(又は弁護士)費用(司法書士又は弁護士 に依頼した場合)がかかります。

1.裁判所に納める費用(裁判所によって違いがあります)

(1)同時廃止事件の場合

① 予納金(官報費用等) 1~2万円 
② 収入印紙 1,500円
③ 切手  数千円分~

(2)管財事件の場合

① 上記①②③
② 予納金(管財人報酬等)20万円~

2.司法書士又は弁護士に依頼した場合の費用

  依頼する司法書士・弁護士によって異なります。
  (着手金及び報酬が必要となる場合、報酬のみの場合、分割での報酬
   の支払いが可能な場合
等 支払い方法についても異なります)

  なお、当事務所の報酬・費用の基準こちらです。


※ 司法書士又は弁護士に依頼したくても無職である等の事情によりその費用を支払うことが難しいときは、日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助制度を利用し、司法書士・弁護士費用を援助(立替払い)してもらうという方法があります。

 なお、収入がある場合でも、申込者とその配偶者の手取月収の合計が、次の基準内であれば、援助を受けることができます。

                   (東京・大阪などの大都市部)
 単身者  182,000円     200,000円
2人家族  251,000円     276,000円
3人家族  272,000円      299,000円
4人家族  299,000円     328,000円
以下1人増につき3万円を加算

 ただし、家賃・住宅ローンの出費がある場合は、次の金額を(上限として)基準額に加算することができます。

   単身者  41,000円以下
  2人家族  53,000円以下
  3人家族  66,000円以下
4人家族以上 71,000円以下


 当事務所では、民事法律扶助(書類作成援助)を利用した破産申立て手続きを行っています。

 

                              
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